グリーグ ホルベアの時代から~

年に一度、友達のピアノ仲間が集まる演奏会「アフタヌーン・ピアノンノ」に出てきました。私が弾いたのは、グリーグの「ホルベアの時代から」という組曲の序曲。もともとはピアノ曲として書かれたのですが、その後管弦楽用に書きなおされ、そちらのほうが有名になってしまいました。

 

 

 

 

細かい曲の背景はwikipediaなどになんぼでも載っているので書きませんが、私のイメージは、鳥のように空を飛びました。

 

まず最初に地面を蹴って滑走。スピードに乗って、ふっと宙に浮いたら、もうあとは大空へ急上昇!風に乗って右に左に急旋回!

 

と思ったら急にふっとエアスポットに入って急降下!頑張って羽ばたくけれどまたエアスポットに入って急降下!こんどは持ちこたえられずにそのままフィヨルドの海にぼちゃん!!

 

フィヨルドの海の中は青く暗く神秘的。そして透明。暗い透明な洞窟の海の中を泳いで行くけれど、その先に光が!さあまた加速して加速して・・・・・・海の上に飛び出した!!!

 

高く飛び出して、また大きく羽ばたいて羽ばたいて急旋回、急加速。そして旋回しながらぐんぐんぐんぐんぐんぐんぐんぐん上昇気流に乗って上がっていき、フィヨルドのはるか上に望み、ふっと展望が開けて遥か遠くを眺めます。そして、終わり。

 

 

 

実際の演奏は、こんな感じでぼろぼろだったけど、自分のこの時の力を出し切ったのは間違いないかな。悔いはありません。でも、レパートリーにするにはちょっと厳しいから、もう少し練習を続けようと思います。イメージをもっと形にできたら、もしかしたらまた演奏会に出すかもしれない。でも、今回はとりあえずこれでいい。

 

 

 

 

 

ひとつ学んだのは、仕事や家族や自分の体調などがある程度余裕がない状態では、あまり技術的にハードルの高い選曲はしないほうがよい、ということ。

 

生ピアノでは夜は音出せないので練習できない。仕事が忙しい時にはほとんど練習などできない。そんな状態で難しい曲に挑戦しても、曲を無駄にしてしまう。

 

やはり音楽に対する心持に温かさがないとだめだ。自分が伝えたいものが自分のためではなく他人のためであり、他に対する想いをこめて弾く。今回のこの選曲は全然違った。自分の好きに任せて「どや!」というような気持ちだった。

 

もうひとつ弾いたのはやはりグリーグの「ゆりかごの歌」。晩年のグリーグが、夭逝した自分の娘への想いを歌った曲。自分はこれに震災への鎮魂のイメージを込めて、ゆったりと弾いた。それは自分で弾いていて不思議に落ち着く曲だった。やっぱりこういうのが自分にあっているんだろうな。