グリーグの年老いたゆりかご

グリーグは、19世紀のノルウェーの作曲家です。有名なのはペール・ギュント組曲や、ピアノ協奏曲ですが、実はピアノの小品集に「抒情小曲集」というのがあり、とても素敵な世界がいっぱい詰まっています。

 

 

そんな中から、次の演奏会で弾こうとしているのは、「ゆりかごのうた」という曲です。

 


グリーグ ゆりかごの歌 Op.68-5 E.Grieg "At the Cradle" - YouTube

 

エドヴァルト・グリーグは、新婦の両親の猛反対を押し切って、従姉妹であり有名な歌手だったニーナと結婚し、何度か浮気したりして破局の危機もあったようですが、乗り越えて生涯添い遂げます。グリーグが作曲した歌曲のほとんどはニーナのためのもの。本当に仲の良い夫婦だったのでしょうね。

 

そんなグリーグ夫妻に、子供が生まれました。女の子で、アレクサンドラ。ところが、なんと1歳で亡くなってしまいました。その後、夫妻が子供に恵まれることはありませんでした。

 

この曲を聴いていると、晩年のグリーグ夫妻が、冬のトロルハウゲンの家の暖炉の前で、空っぽのゆりかごをみながら昔語りをして、当時の思い出を時には明るく時には寂しく辛く、とつとつと思い起こしているような姿が浮かびます。

 

 

もうすぐ音楽友達と一緒にやる演奏会で、この曲を弾きます。

暖炉の前の夫妻の姿が思い浮かぶように、弾けたらいいなと思います。